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そば処 和か菜 2005年11月06日
分類:そば 神奈川県三浦郡葉山町

 実家のある横須賀の池上から葉山方面に車を進めること10分ほど、道路脇に大きなそば屋の看板が目に飛び込んできます。

 そば屋の名前は「和か菜」、お気に入りのおそば屋さんです。
 
 日曜日に実家に用事があり、それならばと、ちょっと遅いお昼を食べにやってきました。

 時間は2時半近くですが、ご覧の通り駐車場は満車状態、人気店です。

 自宅兼店舗の建物は、洒落たペンション風の造りで”和”の雰囲気はなく、入口の看板を見なければ、そこがそば屋さんと気づく人はおそらくいないでしょう。

 ただし、昼時ともなれば、天ぷらを揚げるごま油の臭いが周囲に立ちこめ、そこが和食のお店であることを鼻に訴えてきます。


 お店は、満席で待っている人も2、3組いましたが、せっかくですので、待つことにしました。

 10分ほど待って席に案内されました。

 この和か菜の良さの一つは風景です。
 店の裏手は、今では三浦半島でほとんどなくなってしまった”棚田”を見ることが出来ます。
 
 今は刈入れも終わっていますが、春の田植えから始まり、秋の刈入れまで、稲の生育を見て季節を感じることが出来ます。

 店内は、純和風ではなく、木材を中心に造られ、2人がけテーブルが5卓、4人がけテーブルが3卓、写真の右手には座敷があり、4人テーブルが4卓あります。

 また、そば打ち場も店内から見える(そば打ち場から店内が見える)様になっており、運が良いとそばを打っているところを見ることが出来ます。

 お品書きです。

 嫁は”鴨せいろ”、自分は暖かいそばで”山かけそば”、それと”ゆず切り”がはじまりましたので”ゆず切り”の大盛りを注文して、2人で食べることにしました。
 
 ”ゆず切り”を最初に出してもらうようお願いしました。

 薬味のネギとわさび。

 ネギは薄く切り、丁寧な仕事がしてあります。
 

 ”ゆず切り”が出てきました。

 比較対象がないので、大きさがわかりにくいですが、都内のそば屋の2枚以上、2枚半くらいの量があります。

 ゆず切りは変わりそばのひとつで、蕎麦の実の中心部分から取った更級粉にゆずを混ぜて打ったものです。
 変わりそばとしては、”茶そば”がよく知られていますが、茶そば自体、色はきれいですが、味と香りの方はお茶の味?がほとんどしないので、自分としてはあまり好みではありません。
 対して、ゆず切りの場合、冬至に風呂に入れるくらいですから、熱にも強く、そばに加えても、香り・味ともゆずの清涼感を楽しむことができるため、お気に入りです。

 和か菜では、このゆず切り、ゆずが出回る11月中旬から4月中旬までの季節メニューで、自分としても今年の初物です。

 麺は細めに打たれ、ゆずの黄色がきれいに出ており、食べると、ゆずの香りが口一杯に広がり鼻に抜けていきます。ここのゆず切りは美味いです。食べてみる価値はあります。

 冷たいそばにつけるつゆは、出汁よりも比較的醤油(かえし)を前面に出した感じで、必要以上に出汁の香りは強くないため、そばの香りを邪魔しないつゆに仕上げてあるようです。

 
 ところで、このゆず切り、嫁も好きなので、大盛りを頼んで二人でシェアし、先に出してもらうように注文して食べていました。
 しかし、気がつけば、1枚のもりそばを二人で分け合って食べていると言う、「一杯のかけそば」状態になっていて、周りからはちょっと貧しそうに見えたかも・・・。

 

 ゆず切りを食べ終えた後は嫁が注文した”鴨せいろ”

 この「とりあえずカマタの」を隅から隅まで見た人ならご存じでしょうが、6月にドイツ旅行をした時点では、嫁は”肉を食べない”ベジタリアンでしたが、今日11月6日現在は、ベジタリアンを放棄し、雑食へと戻っています。

 せいろの普通盛りはこの量になります。これも、都内の1.5人前くらいはあります。

 こちらの麺も、やや細めに打たれており、そばの粉の味がしっかりと出ているそばです。

 こちらは、自分が頼んだ”山かけそば”

 暖かいそばに、山かけ、胃袋に染みわたります。

 写真下は、山かけそばに付いてくる”うずらの卵”。おちょこほどの器に入ってきます。
 最初から、そばに入れてこない、卵の生が嫌いな人へのちょっとした配慮です。

 この和か菜、平日は中休みがありますが、休日は中休みなしの午後7時半までの営業となっており、休日の昼下がりに行っても開いているで助かります。

 メニューも、そば屋の標準的なつまみ(焼き味噌、卵焼き等々)がそろっていますので、夜ちょこっとお酒を飲んで、そばを手繰ることができますが、車でないと行けない場所にあるのがちょっと玉にきずです。

 ご馳走さまでした。

 美味しゅうございました。